第一帖、新茶の季節
- 雲上茶寮
- 2022年5月19日
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更新日:2022年6月15日
「夏も近づく八十八夜」と茶摘み歌にも歌われるように、2月の立春から数えて88日目の5月2日前後になると、茶畑では茶摘みがはじまります。

その年最初に出てきたお茶の新芽を摘み取り、仕立てたお茶のことを『新茶』と言います。
新茶を摘めるのは一年に一度だけ。
二番茶や三番茶を摘まない宇治の茶農家は、この年に一度の新芽のためだけに、土に肥料を撒き、雑草を引き、お茶の葉が霜にやられないように管理しながら、この茶摘みの季節を迎えるのです。
新茶は初ものとして縁起が良いだけでなく、「無病息災の妙薬」「不老長寿になる」と昔から言われてきました。

一番茶である新芽は、冬の間に蓄えてきた栄養を十分に使い、春の柔らかい日光でゆっくり時間をかけて育つため、栄養価が高く、甘みや旨み成分であるアミノ酸の一種「テアニン」がたっぷり含まれています。
この「テアニン」には甘みや旨みだけでなく、「脳や神経の興奮を抑える」「α波が増加して脳をリラックスさせる」「質の良い睡眠を促す」「記憶力や集中力を高める」など様々な効果があります。
太陽光をまだあまり浴びていないうちに摘み取る新芽は、柔らかく、青々として、みずみずしい生命力に溢れています。
冴えたグリーンと、みずみずしく爽やかな香りは『新茶』ならではの特徴です。
雲上茶寮では、今年一番に取れた宇治新茶を味わっていただけます。

新茶に浮かぶ埃のようなものは「毛茸(もうじ)」と呼ばれ、新鮮な新芽にしか生えていないお茶の葉の産毛のようなものです。
この「毛茸(もうじ)」が見られるのは、本当に若い新芽だけを摘み取ったお茶である証拠です。





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